【なぜ揉める?】後継者は“決まっているのに”相続で争いになる理由

こんにちは。
三重県の行政書士、鷲尾です。

6月は「事業承継と相続」をテーマにブログを更新しています。

今回は、「後継者は決まっているのに、相続で揉める」という、
多くのご家庭で起こりうる“典型的なトラブル”を取り上げます。

よくある誤解:「うちは後継者が決まってるから大丈夫」

経営者の方からよく伺うのが、

「うちは次男が継ぐと決まっているから、相続で揉めることはないよ」 「長男は継がないし、特に何も言わないから心配していない」

――本当にそうでしょうか?

“決まっている”のと、“家族が納得している”のは別問題です。

なぜ揉めるのか?3つの理由

① 気持ちの確認不足

継がない側が「自分はないがしろにされた」と感じていることがあります。

表面上は穏やかでも、「兄ばかり得してる」「事前に何も相談がなかった」という不満が、
相続のタイミングで一気に噴き出すことがあります。

② 財産の偏り

後継者には会社・株・不動産など「事業に必要な資産」が集中しがち。

継がない兄弟に現金や自宅を相続させようとしても、バランスが取れず不公平感が生じることがあります。

③ 書類や段取りの不備

遺言書がない、またはあっても曖昧であったり、株式の名義変更がされていなかったり…。
「決まっていたつもり」が通じないと、法定相続通りに分けることになり、結果的に揉めます。

後継者を守るための備えとは?

親として後継者に「スムーズに会社を託したい」と思うなら、
以下のような備えがおすすめです:

  • 遺言書で株や不動産の承継を明記する
  • 生前に、家族全員と一度は話し合う
  • 後継者に集中する財産と、他の家族への配慮をセットで考える

まとめ:“決まっている”だけでは足りない

事業承継は、家族みんなの納得と協力があってはじめて、うまくいきます。

「うちは後継者がいるから安心」と思っている方こそ、
いま一度、“家族の気持ちの確認”と“書類での準備”をしておくことをおすすめします。

次回(6/16)は、
「遺言書と事業承継、どう書くのがベスト?」をテーマにお届けします。

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