【相続と事業承継】“継がない子”にもちゃんと遺すために考えておきたいこと

こんにちは。
三重県の行政書士、鷲尾です。

6月は「事業承継と相続」をテーマに、週3回ブログを連載しています。

今回は、「事業を継ぐ子」と「継がない子」がいる場合の相続と承継」についてお話しします。

家業を継ぐ=多くを相続する?

中小企業の経営者のご家庭では、
どうしても「会社を継ぐ子に資産が集中しやすい」傾向があります。

たとえば:

  • 後継者が社長になり、会社の株式を相続
  • 会社名義の不動産を使用し続ける
  • 退職金や役員報酬を後継者が受け取る

一方で、継がない子には現金や土地家屋などを相続する予定があったとしても、
結果として「不公平感」が残ることも少なくありません。

感情の“しこり”を残さないために

相続は「法的に正しく分けたらいい」という問題だけではありません。
家族の中での信頼関係や感情が絡むからこそ、“納得”が大切です。

たとえば、

  • 継がない子にもきちんと相続があることを説明する
  • 株式や経営資源をどう分けるか、遺言書で明確にしておく
  • 可能であれば、家族で一度は話し合う場を持つ

こうした準備で、のちの相続トラブルを未然に防ぐことができます。

遺言書の活用がおすすめ

「自分が亡くなったあとに揉めてほしくない」
そう考えている経営者の方は多いと思います。

そんなときは、遺言書で承継と相続の内容をはっきり書いておくことが有効です。

特に:

  • 会社の株式や事業用資産を誰に渡すか
  • 継がない子には何を渡すか(例:自宅・預貯金など)

「誰に・何を・なぜ」という気持ちを伝えるだけでも、
相続人の“納得感”は大きく変わってきます。

専門家が間に入ることで、家族の関係を守れることも

家族だけでこうした話をするのは、どうしても感情的になってしまいがちです。
だからこそ、行政書士などの専門家が第三者として入り、整理・提案することに大きな意味があります。

相続と承継のどちらにも関わる立場として、
私は「家族の関係も、会社の未来も守るためのご提案」を心がけています。

まとめ:継がない子にも、ちゃんと遺す

家業を継ぐ人がいても、それ以外の家族の存在は大切です。
誰か一人だけが得をしているように見えてしまえば、それは大きなわだかまりになります。

相続は「家族の未来の形」
できるだけ、みんなが納得できる準備をしておきたいですね。

次回は、
「自社株が“相続財産”って知ってましたか?」をテーマにお届けします。

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